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北陸産地の伝統技術によって生まれたポリエステル糸「SPX®」のリブランディングストーリー


1929年に北陸に支店を開設。以来、繊維の一大産地、北陸とともに成長してきた

蝶理の繊維原料部は主にポリエステル・ナイロンの合成繊維を取り扱っており、日本のポリエステル糸販売のうち約20%のシェアを持っています。
特に、繊維産地として400年以上の長い歴史を持ち、合成繊維の生産・加工を強みとしている北陸産地(福井県、石川県、富山県)との結びつきが強く、1929年に支店を開設して以降、産地に根付いた繊維事業の発展に努めてきました。
現在では、国内外のお客様に対し、北陸産地の協力工場で生産した年間約10,000tの糸を販売しています。

協力工場とともに試行錯誤を重ね、開発された「SPX®」

工場と糸開発を重ねる中で、世の中にまだないモノを生み出し、競争力のある価格で世界に広めていきたいという想いから、ポリエステルでありながらポリウレタンのように伸びる糸ができないかと工場とともに試行錯誤を重ね、約25年前に「SPX®」を作りあげました。

伸縮性・ふくらみ・軽さを生み出す「SPX®」の仮撚加工技術

「SPX®」はPIN仮撚(かりより)という糸加工によって作られます。この仮撚加工技術は北陸産地の糸加工場で50年以上続く伝統的な加工方法です。ポリエステル原糸をサファイアガラス製の回転子に巻き付け、熱を加えて伸ばしながら撚りをかけることで糸にストレッチ性やふくらみ感を持たせています。

「SPX®」はストレッチ性だけでなく、通常のポリエステル糸では出せない軽量性・ふくらみ感をもたせることができる高性能な糸です。
スポーツジャージやファッション、企業の制服等の幅広い場面で使用されており、身近な素材で言えば、学生の体操服でよく使われています。ふくらみがあって着心地が良い点だけでなく、破れにくく耐久性が高いため製品寿命を長持ちさせることができる素材として高く評価されており、蝶理の主力機能性素材としてこれまでも多くのお客様から支持されてきました。
50年以上前から北陸産地の伝統技術として発展してきたPIN仮撚は、低速でゆっくりと糸に熱をかけることで独自のふくらみ感が出ますが、現在では生産合理化が進み、より安価で汎用的な高速加工の糸の使用が一般的になっています。そのため、現在に至るまでに日本のPIN仮撚産業は縮小して廃業が進み、生産できる事業者も減ってきています。

◆フリクションとSPX(PIN仮撚)の違い YouTube Shorts >>

後継者問題を抱える北陸産地のサステナビリティのため、蝶理ができること

北陸産地では、高齢化した職人の後継者不足や、働き手が集まらない等の雇用問題が懸念されており、PIN仮撚加工自体も同様に機械の老朽化や人手不足による生産能力の低下が危惧されています。私たちは、産地の職人が持つ技術を絶やさず継承していき、産地のサステナビリティを高めるために何ができるか?を考え、日本では一般的に使用されてきたPIN仮撚が、世界に目を向けると希少価値がある高性能な素材である点に注目しました。
北陸産地の伝統技術という、海外では真似できないメイドインジャパン素材の魅力を世界中のより多くの人に知ってもらいたいという想いで、2022年に「SPX®」ロゴを刷新し、リブランディングを行いました。
需要が増え、生産量が増えることで、新規の設備投資が可能になります。また、「SPX®」のリブランディングを通じて北陸産地に興味を持ってもらうことで、新たな人材との縁を紡ぐことができるのではと期待をしています。

「生産者の想いを伝えたい」。生産工場の人々の想いを動画に

「SPX®」をリブランディングするに当たり特に力を入れたのは、「産地の技術力・素材の良さだけではなく、生産者の想いをしっかり伝える」ということでした。
工場で生産に携わる人たちが自らの技術に誇りを持って「SPX®」を作ってくれていること、縮小していくPIN仮撚産業の中でどのように生き残っていこうと考えているのかを伝えたいという想いで、「SPX®」の生産工場を訪問・インタビューし、動画として形にしました。

◆SPX / PR編(1分30秒) >>

◆SPX / STORY編(13分37秒) >>

複数ある「SPX®」の生産工場の中には、家族経営のような中小企業もあります。販売を始めた約25年前から今まで、安価な高速加工の糸の普及による生産の落ち込みにより、廃業の危機に直面したこともありましたが、お互いに支え合い、ともに苦境を乗り越えてきました。
「SPX®」にしか出せない風合いを気に入って「『SPX®』でないとダメ」と仰るお客様の声に応えるべく生産・販売を続けてきた結果、協力工場と蝶理の現在の信頼関係を築けていると感じています。

海外への販売を強化。今後の展望について

日本国内だけでなく海外へも「SPX®」販売を強化するため、日々の営業活動を続けています。海外のお客様から「SPX®」を使った服の軽さ・着心地の良さに高い評価をいただく機会が増え、スポーツ・カジュアル衣料用途を中心に採用が増えており、日本でしかできないモノづくりの良さを実感していただけていると感じています。
また、「SPX®」の機能に加えて特殊原料を使用した透け防止機能やリサイクル素材等の展開も拡大しています。
リブランディングによって今まで意識されてこなかった「SPX®」の素材価値や北陸産地の工場背景をお客様に再認識してもらうことで、日頃お世話になっている北陸産地に少しでも恩返しすることにつながれば…と思います。

あなたの夢に挑戦します。

蝶理のコーポレートスローガンは「あなたの夢に挑戦します。」です。
お客様が目指す夢を支えるべく、高性能な「SPX®」だからこそ生み出せる価値をより多くの人に知ってもらえるよう、これからも蝶理は北陸の大地から世界へ技術を届けます。

ー お客様からのお問い合わせ先 ー
蝶理株式会社 繊維原料部
TEL:06-6228-5182(担当 高光)

※2023年11月9日にPR TIMES STORYにて発信した記事を編集しました。
北陸産地の伝統技術によって生まれたポリエステル糸「SPX®」のリブランディングストーリー|蝶理株式会社のストーリー|PR TIMES STORY

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