見出し画像

蝶理のサステナビリティ【SDGs商材まとめ】

今回は蝶理が注力しているSDGs商材についてご紹介します!

蝶理のサステナビリティ
初代社長である大橋理一郎には確固たる信念に基づいた経営姿勢があり、「世のため人のために事業を伸ばし、常に得意先と発展を共にしよう」と願う共存共栄の精神と、それを支え続けた清廉潔白さ、謹厳さ、慈愛の心は生涯変わることがありませんでした。
蝶理は、この初代社長の信念を礎に、自社の利益だけを追求するのではなく、世界全体の持続可能性や発展も念頭に置き、事業を推進しています。


はじめに

蝶理では、企業理念にあるように、地球人の一員としてより良い社会の実現に貢献できるようサステナビリティを意識した経営を行っており、中期経営計画「Chori Innovation Plan 2025」では、基本戦略の一つに「変化に即応したサステナブルなビジネスの創出」、非財務目標に「環境等に配慮したSDGs商材の取り扱い拡大」を掲げています。

1.繊維事業のSDGs商材

繊維事業では、糸・生地・製品という繊維産業の川上から川下に至るサプライチェーン全体におけるサステナビリティ最適化を実現すべく、「BLUE CHAIN®」というコンセプトの下、SDGs商材を展開しています。

「BLUE CHAIN®」Instagramアカウント:
https://www.instagram.com/bluechain_chori/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D

「BLUE CHAIN®」のパートナー企業は現在約140社に上り、売上規模は、本格的に注力し始めた2020年度においては50億円程度でしたが、2023年度においては200億円、2025年度には300億円を目指しています。

【「BLUE CHAIN®」の主な取扱商材・取組】

◆資源を循環させる商材(「ECO BLUE®」、「ECO BLUE®×WS™」、「BLUENY™」、「B-LOOP™」、「Anewdown」)

「ECO BLUE®」(エコブルー)
廃ペットボトル由来のリサイクルポリエステル糸。200品種以上の幅広い品種を展開しており、「BLUE CHAIN®」の主軸となる商材です。
2007年に商標登録し、蝶理のSDGs商材ブランディングの始まりとなった商材でもあります。

「ECO BLUE®×WS™」(エコブルー×ダブルエス)
「ECO BLUE®」と小松マテーレ(株)の「WS™」を組み合わせた素材です。
「WS™」は、低温で速く染まる特徴を持つ素材で、「ECO BLUE®」と組み合わせることで、よりCO2の排出量を抑えることができます。

「BLUENY™」(ブルーニー)
サステナブルナイロン素材で、繊維くず由来の「BLUENY LOOP」、回収漁網由来の「BLUENY OCEAN」、植物由来の「BLUENY SAVE」の3つのシリーズがあります。

「B-LOOP™」(ビーループ)
2023年に本格始動した繊維製品の循環型スキームの総称です。
ポリエステル素材をポリエステル糸に再生し、衣服や資材など様々な用途へ循環させます。糸への再生が難しい素材は、反毛後に自動車の吸音材や水害防止用の河川敷マットなどへ再利用します。

ロゴは蝶理の「蝶」と「ループ(∞)」をモチーフとしています

・「Anewdown」(アニューダウン)
不要になった羽毛布団から羽毛を取り出し、洗浄したリサイクルダウンです。
不純物を徹底的に除去する高い技術力と超軟水の洗浄力により清潔さを追求した商材となっています。

◆資源の使用量を低減する商材(「MEDITERRANEAN GIZA®」、「ECOSOL™」)

・「MEDITERRANEAN GIZA®」(メディタリアンギザ)
栽培時の水使用量を削減した綿です。
AIを駆使した栽培で1日に必要な水の使用量を最低限に抑え、機械摘みを行うなど、最先端の農業技術が使われています。

・「ECOSOL™」(エコソル)
紡糸段階で顔料を練り込み着色した原糸ポリエステル糸です。
糸をつくる段階で色をつける(先染め)ため、後染め工程での染料が不要となります。生地で染色する場合と比較し、水使用量やCO2排出量を削減した素材となります。また、生地加工時間を大幅に短縮することで加工効率も向上させることができます。

車輛資材部で展開していた商材を2023年にブランド化しました

◆自然環境に配慮した商材(「MILLENNIUM ORGANIC®」、「ナチュラルダイ®」、「NEXUEDE®」)

・「MILLENNIUM ORGANIC®」(ミレニアム オーガニック)
原綿そのものの白度が高く、塩素漂白剤や還元剤不使用の綿です。
栽培されているフェルガナ盆地(ウズベキスタン)は標高が高く、害虫自体が寄り付かないため、はるか昔より無農薬のオーガニック栽培が続けられています。また、ウズベキスタンが国家単位で管理する100%非遺伝子組み換え綿を採用しています。

・「ナチュラルダイ®」
化学染料と比較し、環境負荷が少ない草花や食品残渣を染料として使用した環境配慮型アパレル製品。
独自開発の特殊な糊を使用することで天然色素の安定定着を可能とし、一般的な草木染めと比較し、色褪せにくく、洗濯による色落ちもしにくいアパレル製品です。
詳しくはコミュニケーションレポート「Tsumuguレポート 2021」において特集記事を掲載しておりますので、ご覧ください。
https://www.chori.co.jp/ir/library/tsumugu/pdf/tsumugureport_2021_feature.pdf

・「NEXUEDE®」(ネクスウェード)
マイクロファイバーを使用したスウェード調の肌触りを持つ高品質織物生地です。アニマルフリーの観点から本革に代わり人工皮革がブームになっている中、その代替となる素材となっています。
2023年夏以降、原糸にリサイクル糸の「ECO BLUE®」を採用しています。

◆資源の廃棄を低減する商材(「TEXBRID®」、「FREETEQ」)

「TEXBRID®」(テックスブリッド)
形状回復性に優れたタフな高伸縮機能糸です。バネ状の分子構造により伸びて「戻る」性質をもち、体を締め付けることなく自然にフィットし、快適な着心地を実現します。シワになりにくく形態安定性に優れており、型崩れを抑えます。

・「FREETEQ」(フリーテック)
幅広いサイズや体形にフィットする100%伸長の素材。サイズフリーの商品として販売できるため、販売元はサイズ別での製造・在庫確保の必要がなくなり、消費者はサイズを気にせず購入することが可能となります。

◆伝統技術を継承する商材(「SPX®」)

「SPX®」(エスピーエックス)
北陸産地の伝統技術により生まれた、通常のポリエステル糸では出せない軽量性・ふくらみ感をもたせることができる高性能な糸です。
後継者問題を抱える北陸産地のサステナビリティを実現するため、リブランディングを実施した商材となります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

繊維事業のSDGs商材ブランディングについては、コミュニケーションレポート「Tsumuguレポート 2023」
においても特集記事を掲載しておりますので、是非ご覧ください。
https://www.chori.co.jp/ir/library/tsumugu/pdf/tsumugureport_2023_feature.pdf

2.化学品事業のSDGs商材

化学品事業では、中期経営計画のもと環境配慮型ビジネスの構築に取り組んでいます。
大小様々な取り組みがある中で、今回はチリ・リチウム化合物製造プロジェクトと生分解性樹脂についてご紹介します。

【チリ・リチウム化合物製造プロジェクト】

環境にやさしい製法でリチウム化合物を生産するプロジェクトに参画しています。
リチウムは塩湖の地下水に含まれるかん水から抽出しますが、一般的に利用される蒸発法は周辺地域が水不足となってしまい、環境負荷が大きいことが課題でした。本プロジェクトでは、蒸発法に代わる新製法として、リチウム成分を抽出した後に水を塩湖に戻す製法を採用し、塩湖の水量を減少させることなくリチウム化合物の生産が可能となっています。
2016年から取り組みを開始し、2019年にはパイロットプラントの資金として10百万ドルを融資しています。

【生分解性樹脂】

・Bluepha PHA(北京藍晶微生物科技有限公司)
海洋・土壌生分解性プラスチックです。
2022年にBluephaを開発した北京藍晶微生物科技有限公司と戦略提携契約を締結し、2023年より蝶理が日本市場に向けて販売を開始しています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

(参考)土壌生分解性樹脂
土壌の微生物によって、最終的には水と二酸化炭素に分解される樹脂です。
土壌生分解性樹脂の育苗シートは、回収して廃棄するという手間がなくなり、農業の効率化にも寄与します。

蝶理のSDGsへの取り組みをまとめた動画はこちら。

蝶理では今後もSDGs商材の拡充に取り組んでまいります。
新たなトピックスはnoteでも積極的に取り上げていきますので、どうぞお楽しみに!

蝶理note編集部