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【MY CAREER】繊維本部安陪さん 

『How do you think about this textile is Sexy or Not sexy?』
イタリア企業に商談した際、現地の方から『このテキスタイルはセクシーなのか?』と聞かれたときには何を聞かれているのか耳を疑いました。
本当に、何て説明したらいいのかも思い浮かばなかったです。これが欧州の繊維文化だと感じました。ただ最近、ファンシーなテキスタイルかどうかはわかってきた気がします(笑)」

欧州文化との違いを体感しながら、営業する安陪さんのご活躍をご紹介します。


1、 現在の仕事内容を教えてください。

(安陪さん)テキスタイル部の安陪です。主な取り扱い商材は、ダウンウェアに使用される生地です。欧州や中国へ生地輸出を担当しており、年2回はミラノ・ミュンヘン・オーストリアへ出張し販売活動をしています。誰もが一度は聞いたことのある海外ブランドを担当する事もあり、イタリア現地の店舗で蝶理の生地が使われた商品が並んでいるのを見ると、嬉しくてつい購入してしまいそうになります。

--繊維業界が抱える環境課題と欧米諸国のSDGs意識

1着の服を作る際に、環境へどのような影響が出るかご存知でしょうか。アパレル業界は年間約21億トンの温室効果ガスを排出しており、そのうち約8割はモノづくりの工程で発生しています。同時に、廃水や廃棄物などの環境問題を引き起こしている事実があります。

引用元:BLUE CHAIN® | 蝶理株式会社

そのため従来、廃棄物の処理が世界的に大きなテーマでした。しかし、近年では持続可能な社会づくり(SDGs)のため、産業廃棄物を減らすだけでなく、販売先を含めたサプライチェーン全体の最適化が重要視されており、特に欧州諸国ではSDGsの意識が高く、「服が糸になる、糸が服になる」というようなリサイクルの循環に向けた動きが加速しています。

引用元:BLUE CHAIN® | 蝶理株式会社

--欧州のお客様はリサイクル商材に厳しい目をむける

販売先の欧州諸国のSDGsへの意識が高い背景には、欧州としてのリサイクルの規制があります。例えば、売れ残った製品の廃棄は禁止されており、今後様々な規制がかかる事が予測されるため、各社SDGsへの意識が高くなっています。この波を受けて我々も最近では、ダウンウェア系の素材でリサイクル商材を扱うだけでなく、それ以外にもSDGsを謳ったリサイクル商品を提案する事が多くなってきました。しかし、様々なリサイクル商材が溢れてきた中で、『このテキスタイルはリサイクル商材です』とただ伝えても響きません。取引先ごとにリサイクル商材の基準があり、それに則っているかどうかが商談を左右します。このためリサイクル商材を製造した工程は適切であったのか証明する必要があり、例えば第三者機関を交え、適切な管理下で作られたリサイクル商材であることを費用をかけて証明することもあります。

2、繊維商社の扱う無限にある「糸」と生地の組み合わせ

一言に繊維商社といっても扱う生地商材は様々ですが、蝶理は主にナイロンやポリエステルといった合成繊維を主に取り扱っています。
入社当初はナイロンとポリエステルの2つの糸を扱うのだと思っていましたが、川中を担うテキスタイルではその2つの糸から何千通りにも生地に変化を加えることが出来ることを知りました。例えば、生地を織る際1インチあたりの糸の本数により密度が決まるのですが、密度を上げたり下げたりすることで手触りや・ストレッチ性が変わります。さらに密度上げると、形状記憶のような生地になりますし、使用する糸の種類・数量、更には染め加工によっても大きく変化します。テキスタイルでは、こういったモノづくりの楽しさを学べるのも醍醐味の一つです。また商社としてお客様のニーズに柔軟に対応できることも大きな強みです。「半工半商」を掲げ、二足の草鞋で幅広い経験を積む事が出来ます。

3、<突きぬける情熱>と自分らしさ

--求めていた英語環境で働けている

販売先の欧州は物理的に遠く、コミュニケーションをとるには限界があります。このため普段は欧州の協力会社が、現地のニーズを集めてくれており日々連携をして営業活動をしています。
もちろん会話の言語はすべて英語になります。私は幼少期オーストラリアに小学校3年生から中学校2年生まで住んでいたため、英語を使える仕事がしたいと思っていました。今の仕事は英語を使う事だけでなく、現地のニーズを生の声で確認するため、年2回ミラノ・ミュンヘン・オーストリアへ出張します。欧州への出張は毎回楽しみでもあります。今の仕事環境は自分にとって理想的です。

--セクシーな生地、ファンシーな生地、ドレイシーな生地、の感覚がつかめた

英語がわかっても、現地の方の「生地に対する感覚」をつかむのには苦労しました。様々な生地をもって、現地企業と生地の機能や、性能について会話をしますが手触りについては感度が日本とは圧倒的に違います。

『この生地はセクシーかそうじゃないか、教えてくれ』

と、イタリア人のお客様から言われたときには、英語がわかっても意味がわからず口があきました。
ファッションの国イタリアでは生地に対してセクシーかどうかの感覚を持ち合わせている事に驚きました。その後も『この生地はファンシーか?』『この生地はドレイシーだね』などの会話が飛び交い欧州文化を感じてその出張は終了。欧州担当の難しさと、未知なる感覚へのワクワクを感じました。ただ、慣れとはすごいものです、最近はセクシーもファンシーもドレイシーもちょっと感覚がつかめてきました。

4、次のインタビューアーへの一言をお願いします!

次は10年目の仲西さんです!大阪の繊維本部は皆仲がよく、横の繋がりが強いです。部署の垣根を越えて飲みに行くことも多く、仲西さんは私にとって斜め上の先輩。さらに私と仲西さんはプライベートではバスケットボールもしますので、練習試合をしたこともあります。プライベートも仕事も全力の仲西さんにバトンを渡します。

CHORI君をバトンにして繋ぎます!

次回は繊維原料部10年目仲西さんの登壇を予定しています。次回記事までお楽しみに!

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