【MY CAREER】化学品本部溝口さん
「やっぱり嬉しいですよね、自分の仕事が『人の役に立っている』と実感できると。スーパーやコンビニに並んでいる食料品の裏側には原材料が書いてあります。私の扱う原料が記載されているのを見ると仕事のやりがいを実感します。」
「お客様と伴走する」を体現する、化学品本部ライフサイエンス部に所属する溝口さん。お客様に原料を供給するだけの関係性ではなく、消費者に支持される商品をつくる為に、お客様と『どんな商品をつくるか、その為にはどんな原料が必要か』と、お客様のゴールをともに実現する。そんな仕事のやりがいについて語っていただきました。
1、 現在の仕事内容を教えてください。
(溝口さん)ライフサイエンス部にて、食品原料や医薬品原料を取り扱っており、主に世界各国から日本のお客様・ユーザーに向けて原料を輸入します。主な仕入れ国は、欧州・アジア諸国、商材も様々です。
--日本の食を支える
「食べたいものが、食べられない」という不安を感じたことがありますか?多くの人はあまり感じた事がないかもしれません。いつでも手軽に食べたいものが手に入るという社会の仕組みは、私たち商社の調達のチカラです。皆さんの「食」を支えています。
しかし今、世界的に原料や物流費が高騰、製造も危ぶまれ仕入れ難の懸念があります。世界情勢に左右されず、安定した調達ができることが商社としての責任だと私は考えています。特に私の取り扱いには粉ミルクメーカーが使用する食品原料もあります。万が一私の仕入れる原料が止まれば、製品の製造・販売も中断されます。日本の消費者への影響が大きい、責任のある仕事だと思っています。
2、「お客様と伴走する」、製造にも関わる
--『食』のトレンドをつくる、市場の反応と次の一手
「次はどんな製品にしますか?」
お客様とこのような会話から始まる商談が、私は好きです。
私のお客様には皆さんがスーパーやコンビニで手にする商品を製造しているメーカーも多くいらっしゃいます。ライフサイエンス部では、OEM事業(*)を行っており、販売ではなく製造に関わることができます。このため商流設計や、どのような年齢層をターゲットにするかの販売マーケティングや商品づくりについてお客様と深い議論をします。その上で使用する原料を提案し、さらには製造場所(製造委託先)の提案も行い、原料供給だけでなく製造や販路にまで携わり、お客様の販売をサポートします。
OEM事業(*):Original Equipment Manufacturingまたは Original Equipment Manufacturerの略語です。委託者のブランドで製品を生産、または生産するメーカーのことです。
--世界中から原料を探す
前述の通り、深いお客様理解のもと原料調達ができることが仕事の面白みを増すところです。商品の販売価格や、ターゲットとなる消費者の顔を思い浮かべながら適切な商材を探しに行きます。今年は欧州へ食品原料の年間契約のため、訪問・商談をしました。
単に海外から輸入してくれば良い、というものではありません。日本人は国産に信頼を置く傾向がありますが、国産だと同時にコストが高くなる。品質を担保したままで現実的なコスト感を意識しながら、様々な国から輸入してくることが商社パーソンとしての腕の見せ所だと思っています。
商社のトレーディングビジネスは、サプライヤーと顧客の間に入って商品を流すというイメージがあるかもしれません。けれどこのように、伴走し一緒にマーケットをつくる面白みがあると思います。
3、<突きぬける情熱>と自分らしさ
--欧州で3時間、サプライヤーと英語での商談
7月現地で行われたサプライヤーとの商談はかなり難航しました。来年の価格を決める重要な商談で、年間契約を結ぶものでした。既にサプライヤーに対しては、どれくらいの量をどれくらいの価格で購入したいかということは伝えてあり、合意を得ていました。しかし商談中に突然、大幅な値上げを要求されたのです。
--お客様とその先にある消費者の顔が浮かぶ
サプライヤーからすれば、昨今の原料高やコスト上昇もあり、高く売りたい意向は理解できますが、事前に合意した価格と大きく違う要求でした。まさに背水の陣。先方はマネージャーも含めたり3名での強硬姿勢の一方、こちらは調達の担当の私のみという圧倒的劣勢状態でした。
万が一大幅な値上げをされた場合、私のお客様は今までの販売価格で製品を売ることができません。販売価格が高くなってしまい、その先にいる消費者は、価格が理由で必要な食品を購入できないという事態になるかもしれない。世の中の誰かの「食」が守れないかもしれない。冷汗が流れます。
--『絶対に引き下がるわけにはいかない』
今まで築き上げてきたサプライチェーンを説明し、その先にある日本の消費者ニーズの高さを説明。彼らがつくる原料がどれほど重要で、日本の食に影響を与えるか、改めて丁寧に説明しました。万が一の為に用意していた、日本のマーケット情報、現地のエネルギーコストや人件費のデータ、今後の販売予測数値など、多様な手段を用いてお客様へ安定供給のため、議論を行いました。3時間に及ぶ議論の結果、サプライチェーンを作るチームの一員として、日本のお客様に原料を届ける重要なポジションであることを強く理解してもらいました。
非常に困難な商談ではありましたが、これを機に日本の市場や彼らの原料の重要性を改めて理解してもらうことができたこと、また、同じ方向を見てこの先も事業を拡大させていけることはとても意味のある商談でした。サプライヤーは敵ではありません。サプライヤー、我々、お客様、その商流において全員が幸せであること、それが重要であり、商社パーソンに求められることだと強く思います。
4、バトンを受けとりました!
バトンをくれた野口さんは他部署であるものの、ガッツのある後輩という印象。話してみると、気遣いや相手の話を聞く姿勢が非常に丁寧。一方自分の想いはしっかり相手に伝えられる情熱のあるタイプ。芯のある後輩という印象です。
溝口さんで化学品本部のMY CAREERは終了です!いかがでしたでしょうか。蝶理社員の突きぬける情熱と、社員同士の関係性が伝われば嬉しいです!
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